通信制高校のメリットとデメリットとは?
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全日制・定時制とどう違う?
全日制・定時制・通信制の高校の特徴を、項目ごとに比較しました。
全日制 | 定時制 | 通信制 | |
---|---|---|---|
通学スタイル | 毎日通学する | 毎日通学する | 必要に応じて通学する |
授業の時間 | 朝~夕方 | 1日4時間で、主に夕方~夜 | 基本的に自宅で好きな時間に受ける |
単位制 or 学年制(※) | 多くの学校は学年制 | 両方あるが、単位制が増えている | 多くの学校は単位制 |
卒業要件 | 3年生を修了すると卒業できる | (単位制の場合)卒業要件を満たすと卒業できる | 卒業要件を満たすと卒業できる |
最終学歴 | 高校卒業 | 高校卒業 | 高校卒業 |
勉強内容の多様さ | 画一的 | 画一的 | 多様 |
勉強のペース | 画一的 | 画一的 | 自由 |
集団行動の多さ | 多い | 比較的少ない | 少ない |
自由な時間 | 少ない | 比較的多い | 多い |
部活などの活発さ | 活発 | あまり活発ではない | 活発ではない |
学生の多様さ | あまり多様ではない | 多様 | 多様 |
友達を作る機会 | 多い | 比較的少ない | 少ない |
校則の厳しさ | 厳しい | あまり厳しくない | 厳しくない |
大学への進学率 | 高い | 低い | あまり高くない |
※学年制は、1年ごとに進級して、3年生を修了すると卒業できる仕組み。単位制は、必要な単位数を修得すると卒業できる仕組み。
通信制高校のメリット・デメリット
メリット
通信制高校のメリットは主に、以下の3つです。
- 多様なスタイルで学習できる
- 自由時間が増える
- 留年がなく、単位も引き継げる
多様なスタイルで学習できる
通信制高校では、学校によってさまざまなカリキュラムが用意されています。全日制高校と異なり、通信制高校では10代から年配者まで幅広い年齢の方が学んでいるため、授業内容も多様になっているのです。
将来を見据えてキャリア教育に力を入れる学校や、専門家による授業を実施している学校、芸能コースを提供している学校もあります。自分のスタイルや将来やりたいこと、勉強のペースなどに合わせて、自由にカリキュラムを組み合わせることが可能です。
自由時間が増える
通信制高校の卒業要件は、「3年以上在籍する」「3年間で74単位以上を取得する」「3年間で体育祭や生徒会活動などの活動に30時間以上参加する」の3つです。どのようにこの条件をクリアするかは、生徒に任されています。
必要な単位のほとんどは、レポートの提出によって取得しますが、課題の進め方も自由です。毎日少しずつ進めてもよいですし、週や月でまとめて進めても構いません。通学に使っている時間も削減することが可能です。空いている自由時間は、仕事やアルバイト、受験勉強、趣味、お稽古事など、自分の好きなように使うことができます。
留年がなく、単位も引き継げる
通信制高校の多くは単位制を採用しているため、1年間で決められた学習量をこなす必要はありません。学校生活を送る上で、仕事や健康上の理由など、勉強より優先しなければいけない事情が生じても、出席日数が足りずに留年してしまうということがないのです。
また、もし高校を途中で辞めてしまった方も、すでに取得した単位は通信制高校に引き継げるため、無駄になることはありません。
デメリット
通信制高校のデメリットは主に、以下の3つです。
- 自己管理が必要になる
- 大学進学のための勉強を補わなければならない
- 友人や先生と過ごす時間が少ない
自己管理が必要になる
通信制高校は、勉強のスタイルやペース、時間の使い方が生徒に任されています。その分、自分でスケジュールを立てて、課題をこなして単位を取得していかなければなりません。遅刻や出席日数などを指摘してくれる先生もいないので、自己管理が必要になってきます。学習する内容も、将来設計や目標に合わせて自分で決めなければならないのです。
ただし、通信制高校にも、カリキュラムの組み立てや学習の進め方についてサポートしてくれる先生やコーチがいますので、積極的に相談するとよいでしょう。
大学進学のための勉強を補わなければならない
通信制高校の授業内容は、高校卒業要件の最低限の内容となっています。卒業のために必要な単位数以外のカリキュラムは、オプションとして自分で追加していく仕組みだからです。そのため、大学進学を目指す方は、自分で受験勉強を行わなければなりません。
しかし、大学進学のためのコースを設けている通信制高校もあります。また、サポート校で大学受験の勉強を補うという方法をとることも可能です。
友人や先生と過ごす時間が少ない
通信制高校では、通学する回数が少なく、友人と授業を一緒に受けることはあまりありません。学校行事も基本的には自由参加なので、そもそも友人を作る機会も多くないのです。通学しないということは、先生に会うこともほとんどないので、相談したいときには自分から働きかけることも必要になってきます。
通信制高校によっては、遠足や文化祭、修学旅行など学校行事を用意しているところもありますので、調べてみるとよいでしょう。